ポンミのエンタメ備忘録ブログ

日々観たり読んだりした備忘録

ファイト・クラブ (1999年)

ファイト・クラブ あらすじ 鑑賞メモ

エドワード・ノートンとブラッドピッドがW主演。
自動車会社に勤める平凡な会社員の「僕」。家はお気に入りの家具や食器を揃え、洋服はブランドもので身を包み
物質的には満たされている状態。だが精神的には落ち着かない状態で不眠症が続き、医師に「世の中にはもっとつらい人々がいる」
と睾丸ガン患者の集いを紹介される。
その集いにニセ患者として「僕」は参加する。患者たちの悲痛な思いを聞くと、感情が高まり涙が溢れ、不眠症が改善した。
これが癖になった「僕」は、様々な集いに参加するようになるが、自分と同じくニセ患者として参加している女性マーラに出会い
泣けなくなり、また不眠症が再発してしまう。

そんなある日、出張の機内で石鹸を売っているタイラー・ダーデン(ブラピ)に出会う。出張から戻るとなんと「僕」のマンションが火事になっていた。
せっかく揃えた家具も服もすべてなくなり、「僕」は出会ったばかりのタイラーに電話をしてバーで落ち合う。
タイラーの家に世話になることになった「僕」は、バーを出たあとタイラーに「力いっぱい殴ってくれ」と頼まれ、喧嘩ではない殴り合いを楽しむ。
時々2人はまた殴り合いを楽しむようになり、やがてそれを見ていた酔っ払いたちが参加するようになり、次第に参加者の人数が多くなっていく。
そして場所を地下に移して秘密のクラブ「ファイト・クラブ」がスタートすることとなる。
ファイトクラブは1対1での殴り合いをすること、決して口外しないことがルール。
参加者は痛みを感じることで生きている実感や男としての本能を感じるようになる。
そして次第に「僕」も冒頭の弱々しく自身のない姿から、腹筋が割れ、痣だらけの顔でたくましい猛者のように変貌していく。

ある日「僕」にマーラから薬を飲み過ぎたから助けてほしいという電話があり、「僕」は無視したがタイラーがマーラを助け
マーラとタイラーが関係を持つようになる。相棒であるタイラーが「僕」を差し置いてファイトクラブのメンバーと何かを進めていること、
マーラと関係を持っていることに次第に「僕」はタイラーに対して苛立ち始める。

タイラーは一体何をしようとしているのか??
タイラーと一体何者なのか??


感想(ネタバレあり)

2020年の今から21年前の作品。ブラットピット全盛期と言うべきか、非常にかっこいい!
しっかりと出来上がった体に、ユーモア&ワイルドな性格のある役柄で色気も半端ない。
当初見た時はなぜか途中で飽きてしまって観れなかった。
殴り合いの中に生きてる実感を感じるという感覚、ふざけて殴り合う感覚は男性にしかわからない感情で
いまいち気持ちが入ってこなかったのかも知れない。
火事に遭い、すべてを失ってしまった「僕」にタイラーは「お前はモノに縛られすぎてる」と言う。
これは今の「断捨離」や「ミニマリズム」の考えに非常に通じるところがあるなぁと感じた。
モノを失っても「自分は自分」と思えば何も怖くない。自信がないからモノで自分を武装する。
自分に自信のない「僕」はこうなりたいという自分を無意識に妄想していた。
それがタイラー。理想の自分はタイラーのようにユーモアがあり、ワイルドで強い男性になりたかった。
「僕」は二重人格で「僕」とタイラーを生きていた。タイラーは「僕」の別人格だったのだ。
もともとの「僕」が制御できないほど、自分の中のタイラーは強く大きくなっていき、テロ組織を作り爆破計画をする。
「僕」は命がけで自分自身と対峙する。

序盤のタイラーに電話したところから不思議な感覚があるので、タイラーは夢?実在の人物?と思うところがあるのだが
まさか自分自身の別人格を対面式で見せる構成に脱帽。こんな映画はないかも知れない!!
なんとなく男臭いような雰囲気の映画かな、と思って最後まで観れていなかったのだが
実は精神疾患の話だったとは。
弱々しい「僕」からどんどんたくましくなるエドワード・ノートンの演技も称賛したい。
途中で「僕」の上司が「僕」を殴ったように見せかけるために、「僕」が自分で自分をボコボコに殴るシーンがあるのだが
ここの演技とラストの演技がすごい。ここのシーンは1人の人格だよ、というヒントにもなっていたかもしれない。

タイラーを命がけで倒した「僕」。死にそうになりながらも、マーラと手をつなぎ崩れ落ちるビルを眺める。
「これからはすべて良くなる」とマーラに言う「僕」はようやく自分自身の弱さを乗り越えたかっこいい「僕」だった。
大きなテーマで言うと自分自身の弱さを見つめて乗り越える、ということかもしれない。

良い映画だった!
★★★★★

Fight Club (字幕版)

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